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つぶや記 87
アップルと映画

 先日、米国巨大電子機器アップル社のスティーブ・ジョブズ氏死去のニュースが世界を駆けめぐりました。
 アナログ世代とは、たとえばジョブズ氏の生死と何の関わりもなく、パソコンなどとも無縁の生活をして、別に生きることの支障を感じていない人々のことです。
 ところでデジタル映像技術の驚異的な進歩を見ていると、映画という世界はこれからどうなっていくのだろうと、ふと首をかしげるのです。多数の映画館を集合させたいわゆるシネコンなど、アナログ世界の殻をつけた映像施設ですが、それはそれでよいのかもしれません。
 アップルのジョブズ氏は、毎朝、家を出るとき鏡にむかって、「きょうが最後の日になる。何をなすべきか」と自分に問いかけたといいます。
江戸時代初期に成立した『武道初心集』の冒頭には、「武士たらんものは、日々夜々、死を心に集めておけ。さればいつどのような事態にも対処して大いなる仕事をなしとげられる」という意味のことを説いています。
 最尖端技術の元祖もアナログ的思考を大事な部分として持っていたのです。アメリカのウォール街ではじまった若者のデモは、インターネットで広がりを見せています。彼らが格差是正を唱えているのであれば、これはやはりアナログ世界の基本的な人間の叫びであるという現実が見えてきます。そして巨万の富を得たジョブズ氏のことはどうなるのか、資本主義社会における当然の利益ではあるのですが、貧富の格差につながる富の独占には違いないので、デモの標的になりかねません。まさに混濁の世ですな。                        (古川 薫)

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