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  つぶや記 46
 年賀状始末

 クリスマス・カードなど、海外でも年末年始のあいさつ状交換は盛んなのでしょうから、国民1人平均約20枚の年賀状が行き交うわがお国振りを奇異とするにはあたらないでしょう。
 それでも最近はその数がやや減少の傾向にあるといいます。電子に肩代りしているということもあるでしょうが、それだけではないようです。年賀状が形式的なものになってから久しいといえますが、このごろは宛名までが印刷され、個人の匂いがまったくしないダイレクト・メールに変じてしましました。
 ことしも1通こんなのがありました。「賀状のやりとりが無意味に思われてきたので、今回をもってやめます。あなたさまも以後私あての賀状はお出しにならないようお願い申し上げます」
 まことに合理的だなと感心しましたが、あまりいい感じのものではありませんでした。ていのよい絶交状として受け止めるべきかなどと考えてしまったからです。
 年末の賀状書きは、早くから準備すればよいのに、どうしても押し迫ってから取りかかるので苦行になり、いっそ投げ出そうと思ったりもするのですが、元日の朝、届けられた人々の賀状を楽しげにあらためている自分のことを想像すると、勝手なことは許されないと気をとりなおします。
 こちらからは出したのに、その相手からは来ないことに気付いて、ほんの少し屈折したり・・・・ とかく年賀状は厄介なものであります。
 いろいろ厄介な習俗でありますが、しかし無沙汰を互いにわびながら、
絆をたしかめあう年賀状はよきかな。「もう出さないから、お前もくれるな」式の賀状を書く気にはなれませんな。              (古川 薫)

 

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