トップ > 名誉館長のつぶや記 > 名誉館長のつぶや記265 彦根の赤備え

つぶや記 265
  彦根の赤備え

  高校野球ー下関国際高校の甲子園初陣を観ようとテレビの前に陣取りましたが、順番が後の方なので、危うく観戦を諦めるところでした。
  スイッチを切ろうとし、ふとみると外野観客席を埋め尽くすばかりの赤色におどろいて、しばしテレビ画面に目をうばわれました。第一試合の彦根東対波佐見の戦いです。それで思い出したのが彦根の『赤備え(あかぞなえ)』のことでした。おそらく1000人近い応援団のTシャツ・帽子・メガホン・タオル・うちわ・・・・・・全身を赤で飾ったいでたちに圧倒されました。
  戦国時代、戦場における井伊氏の赤備えは有名で、甲冑・旗指物などすべて朱塗りで、足軽までも赤色で飾りたてた“彦根の赤備え”を見ただけで敵が逃げ出したと言われました。
  赤備えは井伊のものだけでなく、武田信玄の軍団編成で知られましたが、武田氏が滅びたあと井伊氏が譲り受けました。
  NHK大河ドラマ『おんな城主直虎』に出てくる直虎の養子となるのが直政で、徳川四天王の一人に数えられた彼の赤備えは天下に響きわたりました。
  関ケ原合戦で徳川家康について戦った井伊直政のことは、『甲陽軍鑑』に、「井伊兵部(直政)の備えは赤備えなり」とあります。武勇で鳴る赤備えは精鋭部隊であり、斬り込み隊長です。
  江戸期に入ってからは彦根藩主として徳川幕藩制の中枢を占め、5人の大老を出しました。幕末の井伊直弼は安政の大獄を強行、水戸浪士らによって暗殺されました。吉田松陰を処刑された長州藩にとっては忘れられない存在です。
  さて彦根東高校は、当然赤備えの軍団を組織、甲子園に乗り込みましたが、しだいに旗色が悪くなりました。しかし赤備えの斬り込み隊長は、9回裏で見事逆転、校歌を響かせました。見応えのある一戦でした。アナウンサーがいつ赤備えのことを言うかと待っていたのですが、ついにひとことも出ませんでした。ガクがないというのはしようがねえなあと<つぶや記>子がつぶやいたことです。
                                                                              (古川 薫)

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