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つぶや記 19
  camera-eye

   広辞苑によると、カメラ・アイcamera-eyeとは「カメラ・フィルムなどの性能や撮影条件などから、写真として仕上がった画像を想像できる能力」とあります。
   最近はデジタル・カメラという重宝な電子光機器をだれもが持っています。その場で構図をたしかめ、シャッターを押すのだから、「仕上がった画像を想像できる能力」は特別必要としないーーーと言いたいが、やはりそうはいきません。つまり天性の能力で選んだカメラ・アングルこそが傑作の映像を創り出すのです。要するに絵心ということでしょうか。機械は構図の決定までは手伝ってくれないからです。
   さきごろ「三国志の旅」に出かけた人々によるフォト・コンテストがおこなわれ、その作品展が下関のシーモールで催されています。いわゆる素人離れした作品がそろっているのは、このごろめずらしいことではありません。
   ツアーでの撮影は時間制限の悪条件があり、スナップが主流になりますが、それでも目をみはるような作品がありました。推薦作品になった梶間澄子さんの「五丈原の丘行く」は、村の農民を添景して古戦場を俯瞰した傑作でした。
   それが空港で買った使い捨てカメラで撮ったものだったとは、おどろきです。高級カメラによらず「傑作は中級カメラから」というプロの随筆を読んだことがありますが、まさしくその通りで、このたぐいのカメラの性能がアップしたことを実証するとともに、やはり絵心の勝利であることを物語っています。この話、田中絹代に結びつけるつもりでしたが、紙数が尽きたので次回にまわします。                                        
                                                                          (古川 薫)

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