つぶや記 11
『民族の祭典』を見る
下関市文化協会創立40周年記念行事のひとつとして上映されたドイ
ツ映画『民族の祭典』を見ました。これはベルリン・オリンピック(1936)
の記録映画です。聖火リレーや優勝者に金メダルを与えるなどはこの第
11回から始まりました。
ナチスの宣伝・謀略といういわくつきの大会でしたが記録映画そのもの
は、レニ・リーフェンシュタール監督による最高傑作という国際評価不動
の古典作品でもあります。ヒトラーの思惑や時空を超えるもの、それが芸
術なのだとの思いを深くいたしました。
わたくしは小学校の5年生のとき引率されて鑑賞したのですが、その後
も何度か見る機会がありました。圧巻は日本の西田・大江両選手とアメリ
カのメドウス選手が、延々5時間にわたる死闘をくりひろげた棒高跳びの
決勝です。夕闇せまるフィールドで、影絵となって宙を跳ぶ日米のアスリ
ートたちの姿が、今も脳裏に焼き付いています。結局メドウスが金メダル
を獲得、西田が銀・大江が銅となりましたが、帰国後2人はメダルを切断
し、銀銅半々をつなぎあわせて"友情のメダル"にした美談も忘れられま
せん。リーフェンシュタールの回顧録を読むと、その熱戦を直後に知った
彼女が、決戦を再現してもらい収録したとのことです。注意深く見ても継
ぎ目は分かりませんでした。 (古川 薫)









