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   つぶや記 17 
   絹代繚乱

   6月22日、田中絹代ぶんか館は、1万人目の入館者(防府市の白川千津子さん)をお迎えしました。白川さんは大の田中絹代ファンで、この偶然の幸運におどろいたり、喜んだりでした。
わたくしは1万人目の入館者認定証に添えて、サイン入り著書『花も嵐も』(文春文庫)、それに絹代が『サンダカン八番娼館・望郷』で受けた銀熊賞のトロフィをスケッチした下手な絵に「絹代繚乱 田中絹代」と書いた色紙を差し上げて、白川さんの幸運を祝福しました。
   絹代も強運の人でした。大阪の琵琶少女歌劇団にいた絹代が、映画女優にあこがれたころの大正12年(1923)に関東大震災があり、東京の撮影所が京都に移リました。絹代が松竹下加茂撮影所に入社したのは、その翌年です。 
   映画のほうから絹代に接近して
きたのです。運の強い人には天変地異までが味方を するということでしょうか。成功する人の条件のひとつが「強運」だということを、それからの彼女の行路に数多く見ることができます。 
   さて開館いらい4カ月で1万人という入館者は、想定を倍近く超える
数字ですが、喜んでばかりはいられない。問題はリピート(再訪)する人がどれだけいるかということでしょう。潜在する今ひとつの問題は、絹代に親 がふさがれます。先人顕彰活動感をいだくある年齢層だけにサポートされていては、展望 の本質、また文化芸術gin-1.jpgとの触れあいを深める文化施設としての存在こそが、市民の利用を促進するのだと認識してきましょう。                     (古川  薫)

                                              

 

 

 

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下関市近代先人顕彰館 田中絹代ぶんか館

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