トップ > 名誉館長のつぶや記 > 名誉館長のつぶや記124 宮本武蔵は小倉の人

つぶや記 124
  宮本武蔵は小倉の人

   小倉の北九州市立芸術劇場小ホールで『宮本武蔵が現代に教えること』と題して講演してきました。北九州市小倉区の主催で、200人ばかりの市民が集まり、質疑応答などもあって、巌流島決闘400年のささやかな記念行事となりました。
   下関市民のわたくしが招かれたのは、以前、『幻談宮本武蔵』(光文社文庫)を書いたからですが、ひとつには巌流島が下関市に属する島なので、呼んで話を聞こうかということになったのでしょう。
   下関でも巌流島400年の記念行事が盛大に催されましたが、これはプロレスの「決闘試合」であったり、決闘の寸劇など観光行事で賑わいました。
   少しばかり侘びしい思いが残ったのは、わたくしが下関の行事に参加しなかったからではありません。そんなケチなことを言うつもりはありませんが、「巌流島とは何だろう」と、ふと思ったのです。
   巌流島の決闘が史実だとする唯一の拠り所は、小笠原家に仕官した武蔵の養子宮本伊織が書いた小倉手向山公園の石碑だけです。武蔵は小倉から熊本に転封された細川家に仕官しています。小倉の人は、他県に所属する巌流島にはさほどの関心がない代わりに、武蔵という人物と歴史に関心を持っているらしいのです。そのことを感じました。
                                                                          (古川 薫)

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