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つぶや記 28 
  異常気象

   気温30度を越すといえば、それだけでニュースになっていたのは、ついこの前のことでした。このごろは30度どころか35.6度を越すという予報を聞いて、悲鳴をあげながらも、なんだか慣れっこになったかの感があります。
   田中絹代ぶんか館の入館者数が減っているのは、炎熱を避けて外出をひかえる人が多いからだろうと思われます。熱中症で倒れ、最悪死亡の例もあるとあっては、うかつに外を出歩くこともできませんが、屋内でも発症するということですから、電気代節約でクーラーを止めておくこともできません。
   命あってのモノダネとばかり、長時間冷房の部屋で仕事をしていますが夏風邪をひいたりして大変な目にあいました。
   「大事件と異常気象には少なからぬ関係がある」という気象学者の学説を読んだことがあります。フランス革命は炎暑、ロシア革命は極寒というように、歴史的大事件は異常気象下に発生しているというのですが、本当でしょうかねえ。そう言えば幕末江戸桜田門外で、大老井伊直弼が暗殺された万延元年(1860)3月3日は、大雪の日でしたし、元治元年(1864)、長州の武装兵が京都に乱入した禁門の変は、旧暦7月の炎熱の日でした。また、高杉晋作が功山寺に挙兵したのは、同年 12月の大雪の日でした。
   酷暑、極寒が人間の大脳に異常な刺激を与え、非日常的行動を促すという学説をただちに信ずることはできませんが、いくぶん頷くところはあります。そこでこの亜熱帯現象との関連で、何か大事件が起こりはしないかと考えるのは、ばかげたことで、失笑を買いそうですが、どんなものでしょうか。真夏の夜の夢ですか。 
                                                                          (古川 薫)

 

 

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