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つぶや記 249
  トランプ新政権

   年頭のテレビ番組で印象に残ったのは、有識者の時事討論でした。たとえば『人工頭脳はどこまで進化するか』といったことで評論家・政治学者・経済学者・大学教授などによる長時間の激論は眠気を吹っ飛ばしてくれました。
   男女を問わず登場する少壮学者は、それぞれに横文字まじりの早口で、互いに丁々発止の渡りあいです。こんなことを言うと女性蔑視と怒られそうですが、男性群を向こうにまわして長々と論陣を張る某私立大学の教授で雄弁な女性がおられ、大いに感心しました。
   白熱すると視聴者の理解などはそっちのけのチンプンカンプン、わたくしたち老人を唖然とさせますが、よくはわからないとしても、結構面白いものでした。
   複数の人が討論する場合、遠慮していると発言の機会を失い、司会者が見かねて指名するまで沈黙するばかり、何のために登壇したのかわからないお方もいらっしゃいます。
   「割り込まなきゃだめですよ」と、お話し上手の教授から討論会のコツを聞いたことがあります。世の中には、喋りはじめたら止まらないという人がいます。
   こんな時には、相手の話が一区切りついたところで、すかさず割って入るのですが、うまく割り込んで自分の意見を述べていると、また別の論客が割り込んできて論題がとんでもない方向へ移ってしまいます。
   沖縄で墜落した米軍のオスプレイの問題に入りました。「これはベル・ヘリコプターズとボーイング・ヘリコプターズの2社が共同開発、独占販売しいてる新兵器だが、いろいろ問題がある」とだれかが発言すると、すかさず割り込んで、「あれは機構上の欠陥じゃあないそうだ」と技術面からの蘊蓄を披露するかと思うと「アメリカ国内の購入価格は1機20億円だが、イスラエルでは30億円、日本では100億円というのは高いじゃないか」
   そこまで話が進んできたので、思わず聞き耳をたてた瞬間、だれかが割り込んできてオスプレイはどこかに姿を消してしまいました。
   『トランプ新政権の誕生で世界はどうなるか』も、一番の興味ある問題でしたが、割り込みを重ねているうちに結論は出ないまま討論は終わってしまいました。
                                                                               (古川 薫)

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