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つぶや記 222
  来てみれば・・・・・・富士山

   先日、静岡県に行ったとき、少し時間が余ったので富士山に登ってきました。といっても車で五合目まで登っただけの話ですが、ずっと以前からなんとなく心にとめていた宿題をはたす気分で、まだ冠雪が残っている山頂を間近に仰ぎました。
  つまらないなどとは言いませんが、「まあこんなものだろう」というのが正直な感想でした。
  幕末、長州藩の重臣だった村田清風が「来てみればそれほどの事もなし富士の山釈迦も孔子もかくやあるらん」という和歌を詠んでいます。あまり素直とは言えない歌ですが、困難を極めた藩の財政改革を進めた辣腕の能吏らしい気宇雄大な気構えを思わせます。
  釈迦や孔子の哲学はともかく、接近してみると思ったほどではなかったということは、日常的に経験した記憶もあるので、富士五合目でゆくりなくも清風の歌を思い出したのです。
  無粋な感想を抱いたのには、それなりの理由もあるわけで、五合目の広場で真っ先に見たのは、おびただしい外国人の群れでした。世界遺産に登録されてから、外国人観光客が増えたとは聞いていましたが、想像以上の "活況" です。みやげものの売店は芋の子を洗うような外人客であふれていました。白い肌に不気味な入れ墨をした人たちも少なからずいて、異様な雰囲気でした。長くいる気もしないので、早々に退散しましたが、往復の登山道の美しさは格別な印象がありました。
  たとえば新幹線の窓枠を走り過ぎる富士山、飛行機の窓から見下ろす富士山、また伊豆の国市から新幹線三島駅にむかう車窓から見え隠れする富士山の秀麗な全景など、離れた場所からのお富士さんが最高だということをあらためて実感して帰りました。富士山はやはり遠望にしかずです。
                                                                                      (古川 薫)

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