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つぶや記 211
駄目押し相撲

  郷土力士がもうひとつ奮わないのが残念ですが、大相撲はかなり熱心に見ています。しかし何だか違和感がただよう土俵ではあります。3横綱そろってモンゴルです。そのほかブラジル、アフリカ、ブルガリアと、強豪のほとんどが外国人で、わずかな日本人が「孤軍奮闘」しているというのは、相撲も今や国際スポーツだと説明されても、これはやはり異常と言わざるを得ないのであります。
  だが長年の相撲ファンとして、ガマンしながら見守っているうちには、勝負の面白さにつられて、九州場所には毎年かならず千秋楽に出かけてきましたし、白鵬の強さに拍手も惜しまないのです。
  先々場所あたりから、モンゴル出身のダークホースも登場して面白くなり、満員御礼の垂れ幕を連日見られるようになりました。しかし白熱の土俵を見つめている時間の切れ目に、ふと虚しさを感ずるときがあるのはどうしようもありません。
  それにこのごろ、かつての大相撲では感じられなかった、ある異臭がただよっているのに気付いているのは自分だけかなと、折に触れて思うのです。
  負けた力士が控え室に戻るなり口笛を吹いて虚勢をはったり、勝ったら勝ったで、「ぶっ飛ばしてやったよ」とうそぶいたり・・・・・・。これまで見られなかったこんな風景も時代というものでしょうが、そうではなくて外国人力士の数が増えてからの現象であるようにも思えてならないのです。
  立ち合いに「張り手」を使うのは、めったにみられなかったが、このごろ普通のことになりました。技として許されているのですが、それはある種の禁じ手視されてきたのです。最近はみんな使うようになった。見ていると横綱までもが、平然と張り手をやる。横綱相撲とはいえない品位に欠けたケンカ相撲です。日本人横綱の決してしないことでした。
  こんどの名古屋場所でも逸ノ城を相手に、白鵬がのっけに一発これをやりました。しかも負かした相手に、勢いというより明らかに意志的な「だめ押し」を食らわせたのでした。わたくしの目の狂いかとも思いましたが、翌日の新聞に果たして藤島審判長が「番付が一番上なのだから、見本になるような立ち居振る舞いをしてもらいたい」と、やんわりクギをさしたと記事にありました。やんわりどころか、これは厳しく注意すべきです。
  わたくしは白鵬のファンですが、今回のこれを見て残念でなりませんでした。このごろわたくしが感じている臭気とはそのことです。帰化植物が持ち込む雑菌に伝統の国技が犯されないようにご用心。それにはもっと強い日本人力士出でよと願うほかはないようです。
                                                                                  (古川 薫)

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