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つぶや記 145
日めくりカレンダー

唐戸魚市場から毎年いただく日めくりカレンダーを愛用しています。A5タイプの大きなカレンダーを壁面につるして毎日めくり捨てるので、月ごとに薄くなってゆき、大晦日になると、いつの間にか過ぎ去った時間を「目視」して感慨にふけったりするのです。
老来、その体験が残りの命が剥ぎとられて行ったのを目視する衝撃に変わりつつあります。
わたくしの場合は、大晦日だけでなく、数日毎にそれを味わうことになるというのは、忙しさにまぎれて、一度に何日分かを手早くめくることになり、気づかぬうちに過ぎて行った「時間の知覚」を経験させられるのですが、それは決して快感というものではありません。
時間というものの正体については、アリストテレス以来、哲学・宗教・諸科学の論争を経ていまだに決着ついていないそうで、最近の時間概念は「アトム化」しようとする方向にあるといわれても理解できるはずはありません。とにかく時間は無限に連続しているのであり、生身の人間に与えられているのは、その一部でしかないのだと気づく時は、すぐそこにきています。今年もらった年賀状に、「早くも70回目の正月を迎えてしまいました」というのがありました。「人類が発明した最高に残酷な言葉は、光陰矢のごとしだ」と言ったのは、小林秀雄だったと思いますが、たしかにそのことを実感させてくれるのが日めくりカレンダーなのであります。
このごろは明言・格言を日々見せてくれるもの、宗教家のお説教、歴史、英単語といろいろで、なかには猫好きのための日めくりもあるらしい。みなさんそのようにして過ぎた時間を確かめているのですね。
(古川 薫)

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