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  つぶや記 92
  古典の日
 
ある国会議員の先生から聞いた情報では、目下「古典の日」制定の話が進んでいるようです。
 以前、フィンランドを旅した時とき、この国の民族叙事詩『カレワラ』が、どこの本屋でも売っているのに感心しました。それも各国語に訳した廉価普及本が、山と積まれているのでした。日本語訳はありませんでしたので、英語版を買って帰りました。フィンランドには≪カレワラの日≫があるのです。
 『カレワラ(Kalevala)』 は、東フィンランドに伝わる歌謡を採録、再構築したもので、1835年(日本天保6年)に刊行されたのですから、そう古いものではありません。
 天地創造に始まり、キリスト誕生に対する男子生誕で終わる物語は広く愛誦され、ついに国民的叙事詩としての地位を占めました。わが国でいうと、さしあたり『平家物語』にあたるところですが、鎌倉時代に成立した古典は、作者不明で国文学上、叙事詩の市民権は与えられていません。
しかしこれはあきらかに国民的叙事詩に位置づけてもよいものです
。下関市の赤間神宮には旧国宝(戦災で一部焼けたので現在は重文)『長門本平家物語』が所蔵されています。「古典の日」制定の要望は京都から出ているので、そこでいう古典とは『源氏物語』など一連の平安文学の作品群を対象としているのでしょうが、『徒然草』など鎌倉時代の名作もふくまれることは当然で、『平家物語』も「古典の日」を契機に、国民の関心を強めていくでしょう。来年のNHK大河ドラマ『平清盛』ですから雅な平家文化とともに、世界に誇る日本古典文学の花が一斉にひらきそうです。
                                      (古川 薫)

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