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つぶや記 278
  山口県の銘酒

   四半世紀前、お祝いに酒をたくさんいただくことがありました。ほとんどは飲んでしまいましたが、2階の書庫を片付けているとき、隅に置き忘れていた箱入り五合瓶の日本酒2本を発見しました。
   瓶詰の日本酒は栓を開けなければ、相当な期間保存できると聞いたことがあります。相当な期間といっても、ガラス瓶で20年以上も日本酒が変質しないことはあるまいと思いながら、座興にと宴会に持ち出してみました。おそるおそる口にふくむと、おどろいたことにトロッとした喉越しの、甘酸渋辛苦の五味を調和して完熟した古酒の味とはこのようなものか、霊妙な神仙酒になっているのを押し頂きました。
   この酒は山口県の銘酒『五橋』です。もう1本残っていましたので、しばらく後の宴会に提げて行き「これぞわが郷土の銘酒ですぞ」と、乾杯したところ、みんなが一斉に顔をしかめるのです。
  実は残っていた1本は、迂闊にも昼光にさらしてしまいダメにしてしまったのでした。すべからく酒類は冷暗所で貯蔵するものであることを忘れていたのでは、いかに銘酒であろうと古酒の味を求めるべくもありません。
   とんだ失敗談はさておき、このごろ山口県の銘酒といえば評判の『獺祭』があります。ロシア大統領の長門市来訪以来、にわかに話題となり「プーチンも唸る東洋の美酒」とのうたい文句で注目される地酒の銘酒『東洋美人』があります。
   さて忘れてはいけない郷土の銘酒、横山大観が愛飲したという噂で有名になった明治4年創業、山口県岩国で作られる『五橋』を加えておきましょう。
                                                                               (古川 薫)

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