◆愛染カツラ植樹式◆
田中絹代と上田市のつながりは、新進女優だったころのロケ地であっただけでなく、大女優への出発点となった主演作『愛染かつら』にまつわる奇しき縁で深く結ばれています。
直木賞作家・川口松太郎がこの地を訪れ、愛染堂で出会った神木・愛染かつらの天啓に基づく発想から、名作長篇小説『愛染かつら』は生れたのでした。はからずも映画化の主演女優に抜擢されたことが、田中絹代を銀幕の女王に押し上げる運命的な転機となったのです。
絹代のふるさと下関市の前身長府藩の藩士・三好慎蔵の血脈が上田・下関両市との繋がりを歴史に刻んでいたのは、決して偶然ではないでしょう。長州下関生れの田中絹代と信州上田市の時空を越えた絆を大事に考えてくださる上田市の有志の皆さんが、霊木『愛染かつら』の株分けを企画され、下関市立近代先人顕彰館入口に植樹のはこびとなった嘉事を記念する「田中絹代と『愛染かつら』-映画の里・上田市に見る絹代の足跡-」特別展を企画しました。上田市に残る田中絹代に関連する貴重な写真も提供していただき、新しい視野の絹代展となりました。厚く感謝申し上げます。
下関市立近代先人顕彰館
名誉館長 古川 薫
(「ごあいさつ-特別展 上田市に見る絹代の足跡-」)より
◇植樹式風景
◇1階エントランス 特別展 展示風景